20EC066 髙田涼太
自分は子供のころからゲームが好きで、よく遊んでいた。昨今においてゲームの人気が高まってきており、特にコロナウイルスが流行してからは他人と接触する機会が減り、自宅にいる時間が長くなっているため、ゲームをする機会も増えた。その結果、様々なゲームがSNSや動画サイトで話題になっている。
これらを踏まえて、いったいどのようなゲームが話題を集めやすいのかが気になり、今回の研究を行うこととした。
今回は、任天堂が配信する動画コンテンツ「Nintendo Direct」に対する、動画サイト「ニコニコ生放送」の視聴者の反応を対象に研究を進めることとした。ニコニコ生放送を選んだ理由は、視聴者の反応がリアルタイムで分かりやすいためである。
任天堂がインターネット上で配信している動画コンテンツの1つ。主に任天堂のハードで出る新作ゲームや、それに関連した商品の告知を行う。現在では主に2月、9月に配信される。今年は6月にも配信された。
リアルタイムで流れる映像を視聴しながら、コメントを投稿することができるサービス。自分や他者が投稿したコメントが画面上に流れるのが特徴。
文章内に登場する単語を、その出現頻度に合わせて文字のサイズを変えて可視化したグラフの一種。今回の調査では、ユーザーローカル テキストマイニングツールというサイトを用いて作成した。
文章内に登場する単語同士の関係を、ネットワークとして可視化した図。今回の調査では、KH Coder 3というツールを用いて作成した。
出現頻度がk番目に多い要素は、一番多い要素と比べて1/kに比例するという経験則(Wikipediaより引用)。これらの関係を両対数グラフにすることで、直線の形に近づく性質がある。
今回は、表1のとおり、3回の放送分を調査対象とした。これらの放送に対して投稿されたコメントをツール「ニコ生コメントビューア」を用いて取得し、分析を行った。
放送日 | 2023/2/9 | 2023/6/21 | 2023/9/14 |
---|---|---|---|
開始時刻 | 7:00 | 23:00 | 23:00 |
放送時間 | 48分 | 46分 | 46分 |
来場者数 | 47836人 | 76968人 | 52433人 |
コメント総数 | 35825 | 65291 | 49210 |
取得コメント数 | 25293 | 31300 | 29183 |
各タイトルに対して投稿されたコメントの数の推移を棒グラフにしたもの を以下に示す。また各ゲームを、以下のジャンルごとに色分けをした。
図1
図1はニコニコ生放送で2023/2/9 7:00:00から7:48:00 の48分間に放送され た、「Nintendo Direct 2023.2.9」で投稿されたコメント数を集計したグラ フである。 横軸には、紹介されたタイトル名を放送順に並べてある。 縦軸はそのタイトルの紹介が開始されてから、話題が次のゲームに移るまでに 投稿されているコメント数を示している。 タイトルごとの紹介時間は一定ではなく、長いものも短いものもあるので、基 本的には紹介時間の長い方がコメント数を多く稼ぐと思われる。番組提供者 としては、紹介時間を長くしてあるタイトルに関しては、より視聴者の注目・ 人気を集めたいので、コメントを多く獲得したいという意図があると考えら れる。そのため、タイトルごとの集計については、番組提供者が期待してい る人気と関連性があると思われる。 また、各タイトルは紹介順に並んでいるため、横軸は番組の時間の流れとなっ ている。なので、コメント量は番組のどこで盛り上がったかがわかる。
図1では、大まかには番組始め、番組終わりの他に、中間に2つの山の合計4 つの山があることがわかる。そして、バランス良く間隔が空いているため、 視聴者が飽きずに番組を観られるように、つまり、番組が面白くなるように 意図してタイトルが配置されていることが読み取れる。
以下、4つの山となっている4つのタイトルに関して紹介し、番組制作者の意図を推定する。
なお、最初に述べた通り、図1について棒グラフに販売形態、開発形態に応じて色分けをしている。図を見ると色はランダムに入り混じっているわけではなく、赤とピンクが 番組前半と最後に、青が番組の後半に集まっていることがわかる。 この理由としては、新作を最初に発表して視聴者の関心を引くことで、視聴 者が早々に視聴をやめることを防ぐ意味合いがあると思われる。
また、図1~3においては、前回の放送でも紹介されたタイトルに対して★をつ けている。図1では、前回の放送に当たる「Nintendo Direct 2022.9.13」でも 紹介されたタイルに★を付けた。該当するタイトルは「ピクミン4」「オクト パストラベラー2」「星のカービィWiiDX」「レインコード」「ゼルダの伝説 TotK」の5つである。このことから、任天堂はこれらのソフトの広報に特に力 を入れていることが分かる。実際、「ピクミン4」「星のカービィWiiDX」「ゼ ルダの伝説TotK」は4つの山となる部分に配置され、多くのコメントが寄せら れていた。だがその一方で「レインコード」は平均程度、「オクトパストラベ ラー2」はかなり少ないコメント数に収まっていた。
図2
図2はニコニコ生放送で2023/6/21 23:00:00から23:46:00 の46分間に放送された、「Nintendo Direct 2023.6.21」で投稿されたコメント数を集計したグラフである。 横軸、縦軸の構成は図1と同様である。
今回は、投稿されたコメント数が、前回の放送と比較して多くなっていることがわかる。この理由としては、放送された時間帯が、前回は朝早くであったのに対し、今回は多くの人が時間に余裕がある夜であったからと推察できる。 図2でも図1と同様に、番組始め、番組終わり、中間に2つの山の合計4つの山が、バランス良く間隔が空いていることがわかる。やはり、視聴者が飽きずに番組を観られるように、意図してタイトルが配置されていることが読み取れる。 今回も、4つの山となっている4つのタイトルに関して紹介し、番組制作者の意 図を推定したものを以下に示す。
なお、図2に関しても同様に棒グラフに販売形態、開発形態に応じて色分 けをしている。今回は、赤が約半分を占めており(28作品中、12作品)、特に 番組の後半に集まっていることがわかる。これは、多くのシリーズ作品の新 作の存在をアピールすることで、好みが異なる数多くの視聴者の興味を、満 遍なく引く役割があると思われる。
図2にも、過去の放送でも紹介されたタイトルに対して★をつけている。該 当するタイトルは「ファッションドリーマー」「ピクミン4」「桃太郎電鉄」 の3つである。このことから、任天堂はこれらのソフトの広報に、特に力を 入れていることが分かるが、「ピクミン4」を除き、寄せられたコメント数 は多いとは言えない状況となっている。
図3
図3はニコニコ生放送で2023/9/14 23:00:00から23:46:00 の46分間に放送 された、「Nintendo Direct 2023.9.14」で投稿されたコメント数を集計し たグラフである。 横軸、縦軸の構成は図1、2と同様である。
今回は、図2と同じ時間帯にもかかわらず、投稿されたコメント数が図1の 放送のときと同程度に収まっている。 図3でも同様に、番組始め、番組終わり、中間に2つの山の合計4つの山が、バランス良く間隔が空いていることがわかる。今までの計3回の放送がこの形になることから、番組制作者は、この構成になるように「Nintendo Direct」を作成してきていることがわかる。 今回も、4つの山となっている4つのタイトルに関して紹介し、番組制作者の意 図を推定したものを以下に示す。
なお、図3に関しても同様に棒グラフに販売形態、開発形態に応じて色分けをしている。今回も、赤が半分弱を占めている(27作品中10作品)が、今までと違い、ランダムに配置されていることが分かる。
また、黄が番組の前半に、青が番組の後半に集中していることがわかる。 これは、リメイクは元の作品から進化していることが多いが、移植・リマス ターは原作からの変化が大きくないために視聴者からの興味を引きづらく、 後者は番組の先頭に起きにくいという理由があると思われる。 今回も続報タイトルに★を付けた。だが、6つの続報タイトルのうち、コメン トが多く寄せられたといえるのは「プリンセスピーチ Showtime!」と「ルイー ジマンション2 HD」のみであり、大半の作品はあまり振るわない結果となっ た。これは、既に存在が明かされていることから、大作以外は視聴者の驚き が少なくなるからだと考えられる。また、図1~3を通して、コメント数が多 い続報タイトルは任天堂開発の作品であり、少ないタイトルは任天堂以外の サードパーティーが開発を担当しているという傾向があることが分かった。
各タイトルに対して投稿されたコメントの数を、紹介時間で割った数の推 移を棒グラフにしたものを以下に示す。色分けは3.1と同様。
図4
図4は、「Nintendo Direct 2023.2.9」に投稿された1秒当たりのコメント数を集計したものである。 番組の長さに依存しないため高さの差は少なくなっているが、タイトルごとに 高さが異なっていることがわかる。
今回紹介されたタイトルのうち、特に高いものは次の5個である。
これらのうち、「レイトン」と「マリーのアトリエRE」に関しては、紹 介時間が少ないことが、1秒当たりのコメント数が多かった理由の一つとし て考えられる。一方で「スイッチオンラインGB」と「スプラトゥーン3 DLC」 に関しては、元から注目度が高かったと考えられる。「桃鉄」は、これらの 中間に位置すると考えられる。 この結果から、紹介時間が少ないからといって、必ずしも1秒当たりのコメン ト数が多くなるわけではないことが分かる。
図5
図5は、「Nintendo Direct 2023.6.21」に投稿された1秒当たりのコメント数を集計したものである。 今回も、タイトルごとの高さに、少ないながらも差があることがわかる。
今回紹介されたタイトルのうち、特に高いものは次の5個である。
図4と違い、今回は全て紹介時間が1分以下であった。これは、今回の来場 者数とコメント総数がほかの回と比較して多かったため、各作品に言及する コメントの量が底上げされたためだと考えられる。
図6
図6は、「Nintendo Direct 2023.9.14」に投稿された1秒当たりのコメント数を集計したものである。
今回紹介されたタイトルのうち、特に高いものは次の5個である。
今回は「クレヨンしんちゃん」以外は、紹介時間が30秒程度の短いものが ほとんどだった。特に「スパイファミリー」「Fit Boxing 初音ミク」の上 位2つは突出していた。これは、前者は漫画およびアニメで人気を博してい た「SPY×FAMILY」、後者はニコニコ動画から人気となり、後にニコニコ外 にも幅広く支持されるに至った「初音ミク」と、元から人気のコンテンツを 題材とした作品であったからと考えられる。
ユーザーローカル テキストマイニングツールを用いて作成した、各回に投 稿されたコメントのワードクラウドを以下に示す。
図7
図7は、「Nintendo Direct 2023.2.9」に投稿された全てのコメントを基に、ユーザーローカル テキストマイニングツールを用いて作成したワードクラウドである。 文字の色が青いものは名詞、赤いものは動詞、緑のものは形容詞、それらに当 てはまらないものは灰色で示されている。文字の大きさが大きいものほど、 登場回数が多かったワードであることを示している。
この中でも、特に大きいワードについて、以下のように推察できる。
これらを踏まえると、今回頻出のワードの特徴として、以下のようなことが考えられる。
ほかにも、紹介された作品に登場するキャラクター(「マホロア」「ダマグモ」など)、紹介された作品の開発元(「スパチュン」「レベルファイブ」など)などが挙げられた。
図8
図8は、「Nintendo Direct 2023.6.21」に投稿された全てのコメントを基に、ユーザーローカル テキストマイニングツールを用いて作成したワードクラウドである。文字の色や大きさの意味は、図7と同様である。
この中でも、特に大きいワードについて、以下のように推察できる。
今回も、図7と同様の傾向がみられるが、紹介されたゲームに登場するキャラクター名(例:「ピサロ」「オッチン」「オリマー」「ボムキング」など)が比較的多く見られた。また、図5において、「豆狸のバケル」が1秒当たりのコメント数が3番目に多かったが、「ゴエモン」「グッドフィール」(開発元)はこの作品に関するワードであったため、単に紹介時間が短かったことだけが、1秒当たりのコメント数の多さにつながったわけではないことが読み取れる。
図9
図9は、「Nintendo Direct 2023.9.14」に投稿された全てのコメントを基に、ユーザーローカル テキストマイニングツールを用いて作成したワードクラウドである。文字の色や大きさの意味は、図7と同様である。
この中でも、特に大きいワードについて、以下のように推察できる。
今回は、特に「F-ZERO99」に関するコメントが多く寄せられたことから(「f-zero」「fzero」「エフゼロ」)本作に対する視聴者の関心が大きかったことが読み取れる。
KH Coder 3を用いて作成した、各回に投稿されたコメントの共起ネットワークを以下に示す。
図10
図10は、「Nintendo Direct 2023.2.9」に投稿された全てのコメントを基 に、KHCoder 3を用いて作成した共起ネットワーク図である。文字の色や 大きさの意味は、図7と同様である。抽出されたワードのうち、関連性の高 い者同士で色分けされ、線でつながっている。円の大きさは、大きさが大き いものほど、登場回数が多かったワードであることを示している。図10から、 「う-おお-お」や「ええ-え-ぇ」、「うわ-ああ-あ-ぁ」など、感嘆の言葉 が多くコメントされたのが読み取れる。
図11
図11は、「Nintendo Direct 2023.6.21」に投稿された全てのコメントを基に、KHCoder 3を用いて作成した共起ネットワーク図である。色分けや円の大きさなどの構造は、図10と同様である。今回は、各色のワードのつながりがかなり薄いことが分かる。
図12
図12は、「Nintendo Direct 2023.9.14」に投稿された全てのコメントを基に、KHCoder 3を用いて作成した共起ネットワーク図である。色分けや円の大きさなどの構造は、図10と同様である。今回は、青のネットワークを中心とし、その周りにいくつかの小さいネットワークが形成されていた。
横軸を1人当たりの投稿コメント数、縦軸を人数とする両対数グラフを以下に示す。
図13
図13は「Nintendo Direct 2023.2.9」「Nintendo Direct 2023.6.21」 「Nintendo Direct 2023.9.14」のコメントを基にそれぞれ作成した両対数 グラフである。横軸は視聴者1人当たりの投稿コメント数、縦軸は、横軸の 回数分コメントを投稿した視聴者の人数を示す。青色は「Nintendo Direct 2023.2.9」の結果を基に作成した散布図、橙色は「Nintendo Direct 2023.6.21」の散布図、灰色は「Nintendo Direct 2023.9.14」の散布図であ る。
また、これらのべき乗回帰とその決定係数R2を、関数フィッティング(最小二乗法)オンラインツールを用いて調べたところ、以下の通りとなった。
2023/2/9 | y=624.1232 x-1.1598636 | R2=0.997124 |
2023/6/21 | y=982.69367 x-1.1577917 | R2=0.994681 |
2023/9/14 | y=824.13972 x-1.1884759 | R2=0.996958 |
図13のグラフの形と、決定係数R2が1に近いことから、これら3つの結果は、全てジップの法則に当てはまっていることが分かる。
各作品のコメント数と、2023/12/23時点でのソフトの売上(ダウンロード版・他者ハードは除く)を比較したグラフを以下に示す。
図14
図14は、「Nintendo Direct 2023.2.9」で投稿されたコメント数を集計し た図1のグラフに、サイト「ゲーム売上定点観測」を基に調べた、 2023/12/23時点における各タイトルの売上を、折れ線グラフとして新たに加 えたグラフである。横軸と左の縦軸は図1と同様、紹介されたタイトル名と、 そのタイトルが紹介が開始されてから、話題が次のゲームに移るまでに投稿 されているコメント数を示している。そして右の縦軸は、2023/12/23時点で の売上本数を対数で示している。なお、ダウンロード専用ソフトや未発売の タイトルに関しては、プロットしていない。
図14からは、図1で述べたような4つの山となるソフトは、売上も同様に 多いことが読み取れ、番組制作者の意図通りに視聴者が動いたことが分かる。 その一方で、谷の部分に関しては、「オクトパストラベラー2」や「レイン コード」のように、売上本数とコメント数の多さは一致しないことがあるこ とがわかる。
また、開発形態によるグラフの色分けは図1と同様だが、緑のグラフで示されたタイトルの売上は、前後のタイトルと比べて特に多いことが分かる。これは、DLCという都合上、すでに多くのプレイヤーが存在するタイトルである必要があるためだと考えられる。
また、続報である★の売上も4つの山や緑の作品と同様に、かなり高いことが分かる。これは、続報を打って視聴者にその存在をアピールすることにより、売上を伸ばそうという番組制作者の狙いがうまくいったためだと考えられる。
図15
図15は、「Nintendo Direct 2023.6.21」で投稿されたコメント数を集計した図2のグラフに、サイト「ゲーム売上定点観測」を基に調べた、2023/12/23時点における各タイトルの売上を、折れ線グラフとして新たに加えたグラフである。横軸と各縦軸の関係は図14と同様である。
図15からは、図14と同様に、4つの山となるソフトの売上が多いことが読 み取れる。さらに、緑と★の作品に加え、緑とほぼ同じような性質を持つ橙 も、前後のタイトルと比べて売上が特に多いのも図14と同様である。そんな 中、上に挙げたタイトルを除き、唯一コメント数の少なさに反して売り上げ が多かった「人生ゲーム」に関しては、本作がパーティーゲームであるため、 家族がいる層に対して魅力的に映ったためだと考えられる。
図16
図16は、「Nintendo Direct 2023.6.21」で投稿されたコメント数を集計し た図2のグラフに、サイト「ゲーム売上定点観測」を基に調べた、 2023/12/23時点における各タイトルの売上を、折れ線グラフとして新たに加 えたグラフである。横軸と各縦軸の関係は図14と同様である。
放送から日が浅いため、現在発売されているゲームが少なく、データも 少ないが、緑や★の売上が多いことは、図14、図15と同様であることが読み 取れる。
全てのグラフは、4つのピークを含む波線を描いていることが分かった。 4つの山となる作品には、以下のような共通点がある。
前回の放送で既に発表されているタイトルには、人気シリーズの新作以外 は注目が集まりづらい。これは、既に存在が明かされているため、視聴者の 驚きが少なくなるからだと考えられる。一方で、人気シリーズ新作の場合は、 ファンも多いため、期待を寄せる声が多くなりやすく、コメント数も多くな ると考えられる。
基本的に移植・リマスターのゲームには、注目が集まりにくい。これは、内容自体は既存のゲームと変わらないため、視聴者の驚きや関心が、新作ゲームに比べて薄いからだと考えられる。
リメイクや移植・リマスター作品は、番組後半に配置されることが多い。これは、先ほど述べたように、これらの作品は注目度が低いため、視聴者が離れてしまう可能性のある番組前半より、定着してきた番組後半に発表したほうが良いからだと思われる。
1秒ごとのコメント数は、いずれも6~12の範囲でほとんど変化がないこと から、視聴者がコメントを送信するペースには作品間でほぼ変化がないこと が分かった。
1秒当たりのコメント数が多い作品は、たいていの場合紹介時間が短いものが多い。しかしそれらのうち、図4の「レイトン」は「シリーズの久しぶりの新作」という4つの山の作品と共通する特徴を持っていたり、図6の「スパイファミリー」「Fit Boxing 初音ミク」は幅広い人気のあるコンテンツを題材としていたりするため、紹介時間の短さが1秒当たりのコメント数に直結しているわけではないといえる。
基本的には紹介されたゲームの名前や、登場するキャラクターなどが多かっ たが、それらと並んで、紹介されたゲームと似た特徴を持つゲームに関する コメントも多いことがわかった。
多くの視聴者が新作の発表を望んでいるものの、未紹介に終わったタイト ルが挙がることがある(例:トモコレ、リズム天国など)。
ワードクラウドに関連ワードが挙がるゲームの全てが、多くのコメントを 集めているわけではない。
図7の「墨田区」「墨田区民」は「パラノマサイト」、図8の「ゴエモン」 「グッドフィール」は「豆狸のバケル」に関するワードであり、これらの作 品は1秒当たりのコメント数が比較的多かったため、ワードクラウドに関連 語が挙がっている作品は、1秒当たりのコメント数が多い傾向にあることが 読み取れる。
「ああああああ」や「うおおおお」などの感嘆が、コメントが多いことが 図から読み取れる。
「新作」「SWITCH」「DLC」といった普遍的なワードが集まっている大きい ネットワークを中心に、その周りに前述の感嘆や、個々のゲームに関する単 語が集まる小さいネットワークが点在している。しかし、6/21は、大きいネッ トワークが存在せず、いくつもの小さいネットワークが、薄くつながってい る形になっていた。
各グラフで人数は異なるものの、傾きはほぼ一致していることがわかった。
基本的にコメント数の多さと売り上げは比例していることが分かる。
4つの山になっているタイトルに加え、DLC作品、続報のあるタイトルの売 上が多い。これは、4つの山に配置したり、続報を打ったりするということ は、番組制作者が売上を多くするために、力を入れて紹介したと考えられる ので、その狙い通りに売ることができたといえる。
今回の調査を通してニコニコ生放送の視聴者の関心を集めやすいタイトルには、概ね以下の共通点があることが分かった。
特に、4つのピークとなった作品に概ね共通する傾向としては、
などが挙げられる。
今後の課題としては、ほかのゲーム発表会でも4つのピークを持つグラフ になるか、 まだ未発売の作品の売上が、コメント数のグラフと同様になるかなどについ て更に調べる必要がある。