始めに、SNSというのは人と人とを繋げるコミュニティ型のWEBサイト。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供する、会員制のサービスのこと。ほとんどが招待制だが、最近では登録制のサービスも増えている。 現在、SNSは老若男女問わず誰もが気軽に楽しめるものになっている。SNSを通じて、共通の趣味の人を見つけて友達になって交流したり、さらにグループやコミュニティと呼ばれる掲示板を利用して情報交換したりと何かと便利なSNSである。主に2003年ごろから世界で流行し、今では主要SNSサイトだけで3億人以上もの利用者を集めるwebサービスとなりつつある。(MySpaceというSNSだけでも1億2500万人以上の登録者がいる(2010年現在 )。 一方、SNSはビジネスとして活用することも出来る。企業がSNSをビジネス利用する事例としては、ユーザーの囲い込みとコミュニティ作成が多く見られる。ユーザーを囲い込むことで、サービスを効果的に提供することができる。するとコミュニティとしてサイト自体も盛り上がる。さらに広告ビジネス、Eコマース、企業イメージのアップなどに活かすことも可能である。これは従来の匿名掲示板コミュニティは、誹謗中傷や荒らしなどのネガティブバズのために広く普及するにはいたらなかったが、SNS の登場により穏やかなコミュニティが実現し、従来より言われていた3C(コンテンツ、コマース、コミュニティ)の本格的な連動が可能となった点が大きい。 今後、多くのコンテンツサイト、コマースサイトが、顧客囲い込みの目的で、SNS をコミュニティツールとして活用していくケースが増えていくと予想される。 利用者の多くは20代の若者が主流であるが、本研究では高齢者(所謂、還暦を過ぎている人)は、どのような事でSNSを利用しているのか関心を持ち、研究をしたいと考えている。今回研究することは、高齢者がSNSを使ってどんな事に利用しているのか、また、(SNS)を使って高齢者に対してどんなサービスをすることが出来るのか、そこに注目していきたいと思う。
世間一般では、高齢者=SNSを利用、という認識は少ないかと思われる。一方では、高齢者の方々が日常生活に不自由を感じたり、孤独感、ライフサイクルの変化等、高齢者は問題を抱えて生きている、という考えが世間では少なからず思われたりすることもある。しかし、SNSには高齢者の方々も利用している。そして、SNSを通じて、コミュニティや日記などで交流をして、高齢者も様々な若者と交流して楽しんだりしてSNSをフル活用している。また、SNSとは違うが会員制の高齢者向け商用ネットサービス、シニアネットなるものが存在している。又、PCやITの使い方を教えあう独自のスタイルで高齢者のITスキル習得を支援している団体もある。さらに、要介護、要支援で積極的な社会参加が難しい高齢者の方々でも、介護予防プログラムの一環としてデイサービス利用者向けのパソコン教室などがあり、高齢者のICT活用が進んでいる。 こうした高齢者達のPCに対しての取り組み方、主にmixiというSNSの利用形態を調査することにより、SNSを主体としたサービスなどを考えるのが今回の研究の目的である。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(英語: Social Network Service, SNS)は、社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービスの事である。[1] 広義的には、社会的ネットワークの構築の出来るサービスやWebサイトであれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービスまたはソーシャル・ネットワーキング・サイトと定義される。 この為、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログも広義的にはSNSに含まれる。 狭義的には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスとは人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型の会員制のサービスと定義される。あるいはそういったサービスを提供するWebサイトも含まれる。 代表的SNSとして、総合的なWEBアプリケーションである日本最大の会員数を持つmixi、モバイル向けのGREE、モバゲータウン、海外では世界最大の会員数を持つFacebook、それに次ぐMySpaceなどがある。 ソーシャル・ネットワーキング・サービスの主目的は、人と人とのコミュニケーションにある。友人・知人間のコミュニケーションを促進する手段や場、あるいは趣味や嗜好、居住地域、出身校、「友人の友人」といった自身と直接関係のない他人との繋がりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供している。[2] 以前は、この人の繋がりを重視して「既存の参加者からの招待がないと参加できない」招待制のシステムになっているサービスが多かった。が、最近は登録制のSNS が多くなっている。2006年にはGREEがモバイル版の開始と同時に登録制になり、2010年3月にはmixiも招待制を廃止し登録制に移行した。 SNSが日本で普及した要因には、従前から数多く存在していた「Web日記サイト」「グループウェアサイト」「インターネットコミュニティ」などの機能を上手に取り込みつつ、さらには各新聞社やマスコミの記事を取り扱うなど、一種のポータルサイトとしての機能も持っているものが見られる。企業・教育機関でも内部向けコミュニケーションから始まり、内定者や学校の卒業生の囲い込みなど、色々な用途に使われている。最近ではGREE、imapuなどでも携帯電話にも応用されており、さまざまな形でSNSは普及している[3]
今回は特に幅広い世代で使われているSNSのうちのひとつ、mixiに注目する。 SNSでは国内最大手である。 mixiではログイン時には次のような画面になる。(図1)
ログイン画面で登録したユーザー名とパスワードを入れると次の画面に進む(図2、図3)
ここで下記のような様々なサービスを受けることができる
・招待制について mixiにユーザー登録するためには、すでに登録している知人・友人からメールで招待状を受け取らなければならない。 逆にいえば、入会しているユーザーはみな誰かの知り合いである、という安心感がある。(厳密にはこれは真実ではないのだが) また、普段会わなくなってしまった以前の友人とマイミクになれば、日記を通してお互いの近況を知ることもできる。 コメントのやりとりも、メールより気楽にできて楽しいし、共通のアプリに登録していれば、友人と一緒にゲームを楽しむこともできる。 コミュニティで同じ趣味の人と会話が弾んだり、情報交換することもできる。 一方で、ユーザーが増えすぎたために、それほどの安心感がなくなってきている。さらに、2010年に登録制が導入されたため、招待状がなくても参加できる利用者が入ってくる。 メリットはたくさんあるけれど、ネット上の常識さえわきまえればリスクは少ないと考える。 (安易に顔写真を公開したり、特定できるような個人情報を全体公開の日記に書いたりなどetc)
上ではmixiについて書いてきたが、他にもSNSは沢山存在する。ここでは本研究の焦点であるシニア向けのSNSもあるので、いくつか紹介していく
・シニアコム http://www.seniorcom.jp/[4] いかにもシニア向けのSNS、といった感じである。シニアの方々のニーズが高いカテゴリーについては更にコンテンツを強化しており、サービスの提案も行っている。 以前は「ステージ」という名称だった。その頃を併せれば、シニアサイト最古参の1つである。 【性別】男性(57%)、女性(43%) 【年齡】50〜54歳(17%)、55〜59歳(34%)、60〜64歳(33%)、65歳以上(16%) 【居住地域】関東(61%)、関西(23%)、その他(16%) 【会員数】30万人 【ブログ数】30,000件
図4をよく見てみると上のほうに文字サイズがあり、目の良くない方でも見やすいように配慮されているのがわかる。また高齢者向けメールマガジンなど役に立つ情報が紹介されている。人間ドッグや健康に気遣う人が多い高齢者ならではの工夫である。
一方、図5も色々、高齢者ならではの広告などが載っている。 例えば、下のほうを見てもらうと分かるが(おすすめコンテンツ)、葬儀や自分の両親のケアなど高齢者が知りたそうな事が書いてあり、高齢者に特化した専用SNSといったところか。
・Slownet http://www.slownet.ne.jp/sns/[5] 最近はあまりシニア色を全面に出していないが、数年前まではシニアSNS最大手を謳っていたから、今でもシニア層が多数である。 デジカメ講座やパソコン講座をはじめとした「学び」と、サークルやブログといったSNSを利用した「出会い」を提供し、シニア世代のセカンドライフを応援するサイト。サイトオープンは2000年7月。 Slownet(スローネット)」の会員数が、2009年7月22日に8万人を突破 同日時点でのユーザー構成は以下の通り 1 年齢層 50歳以下 14.5% 51〜55歳 6.0% 56〜60歳 14.3% 61〜65歳 17.2% 66〜70歳 23.1% 71〜75歳 16.3% 76〜80歳 6.6% 81〜85歳 1.8% 86歳以上 0.3%
2 性別 男性 79.2% 女性 20.8%
図7の特徴はコンテンツがmixiのようにそこまで豊富でなかったりする。また、デザインも落ち着いた色合いであり、緑で統一されている。(緑は目に優しく、緑の光は最も人の網膜に負担をかけない波長であり、人は緑色を見るのに労力を要さないので、長時間緑に囲まれていても疲れることはなく、集中力を保つことができるのではないかと推測する。)
高齢者関係のSNSは「健康」に関するキーワードは必須なのだろう。 それは偏に、自分の健康への強い関心が高齢者にあるからである。そして、健康の維持増進のために心がけて、色々の努力をしている。例えば、健康づくりのための実践を行っている人が70%以上を超えている。 心がけていることの代表的なものは、「栄養のバランスのとれた食事をとる」で、58.3%。「休養や睡眠を十分とる」(54.6%)、「散歩やスポーツをする」(49.6%)、「健康診査などを定期的に受ける」(45.4%)、「規則正しい生活を送る」(42.9%)、「気持ちをなるべく明るく持つ」(35.3%)などがつづいている。ここにあげられた項目は、高齢者の実践から導かれた健康管理に関する要諦であるといえる。 (図8を参照)
・後期高齢者医療制度SNS[6] 後期高齢者医療制度とは、75歳以上の「後期高齢者」が全員加入することになる独立型の公的医療保険制度である。日本の超高齢化社会は既に現実のものとなっている。国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくための医療制度体系として、平成20年4月からその制度が始まっている。 このSNSはそうした「後期高齢者医療制度準備」に関る方々のささやかな支えになれば、という趣旨で立ち上げている。関係者が、ある程度の匿名性を保ったまま、気兼ねなく相談や情報収集、意見交換が行える。独りでは困難でも、何十何百という人々が知恵を絞れば、乗り越えられないことはない。そして同じ難題を抱えた多くの人たちとつながっている。それだけでも精神的支えになるのではないだろうか。 (残念ながらこのSNSは招待制なのでページを見ることが出来ないので画像は割愛させていただく。)
・まとめ どのサイトも共通点がある。まず、図8でも見てわかるとおり「健康維持のために心がけている」が全体的に見ても高いことがわかり、それを意識してなのか調べたサイトに「健康」というコンテンツがあることがわかる。また使いやすいように文字ばかりでなく画像が使われており判断しやすのも一つの特徴である。
後で詳しく後述するが、SNSをやっている年代層は20〜30代が多く、50代以上の利用率はそれに比べるとかなり少数になっている。では、何故少数の高齢者達はSNSをやっているのか。 本章では高齢者がSNSを始めたきっかけを紹介する
1 同級生達とのコミュニケーション 自分の郷里から出てきて、地元の友人達とはあまり会う機会が無い人、音信不通で昔の同級生達と連絡が取れない人、また小学校時代の友人やあまり接点が無かった同級生などと会うことは少ないだろう。様々であるが、リアルタイムで昔からの長い付き合いをしている友人は少ないはずである。そのようないわば、「過去」の友人達とのコミュニケーションが、SNSによって劇的に変わることになる。例えば、mixiでは、年代別の出身校別のコミュニティに所属することができるために、過去の同級生達と再会しやすいのが特徴である。例えば、自分が卒業した歳の中学校のコミュニティがあれば、そこに過去の友人がいる可能性は、当然大きい。SNSの利点は旧友との再会だけではなく、コミュニケーションを持続することが可能である。私が調査した人のなかにもマイミクの大半が小学校、中学校の同級生ばかり、という高齢者がいた。
2 地域社会の貢献 ある団体、「特定非営利活動法人仙台シニアネットクラブ活動」によると、60才以上の高齢者による高齢者の情報学習を支援する無料のパソコン(はがき作成)・インターネット教室の開催、講師として活動することを希望するボランティアのための養成講座と、年に数回開催されるセミナーなど、情報弱者として支援の対象であった高齢者たちを支援する団体を立ち上げた。 また、平成12年では650名もの希望者がいたことから、PCを駆使し地域社会に貢献しようとする高齢者が大勢いることがわかる。 (主に学んだ技術で、地域に貢献するべく自主的に参加したパソコンボランティアたちは、小学校や郵便局、老人福祉センターなどで、初心者むけの無料パソコン教室の講師として活躍している。)[7]
●導入による効果 シニアネットを立ち上げたことによる、一般的な効果、評価。 1. 高齢者が、新しい情報通信技術を生活に取り入れ、地域や世代を超えた新たな人間関係を結び、活動する場所を拡げた。 2. 高齢者の新しい社会参加が可能になった。パソコンボランティア活動を通じ、地域の教育、福祉に貢献している。 3. 地域の学校、老人福祉センター、市民センターなどで気軽にパソコン、インターネットを 学ぶ機会ができ、これまで高度な情報通信サービスを知る機会の少なかった一般市民への 情報化の支援ができた。 4. 地域の企業や行政機関も、新たな市民との連携の手法を学び、利用者の立場に立った新しい政策、 商品、サービスに向けて取り組むようになった。
「パソコンを使って地域に貢献したい、地域で何かやってみたい」というニーズが高齢者にあることを考えると、電子メールなどをうまく橋渡しに使った、地域 の活動に役立つSNSや掲示板などを提供すれば利用率が高まる可能性はある。 パソコンやインターネットなどの先進系技術のサービスは、どちらかというと作り手の視点で構築されるため、どうしても若年〜中堅層向けのものが多く なる傾向がある。しかしこれから高齢者もパソコンに触れる機会が多くなるだけに、彼ら・彼女ら向けのサービス・コンテンツへのニーズも増えてくることは間違いない。 すでにいくつかのサイトでは、定年退職後の「セカンドライフ」を提案する専用サイトが登場している。今後は彼ら・彼女らの立場から考え出されたサービスもさらに続々展開される。 それがICTと呼ばれる情報通信技術である。むしろICTは高齢者のためにあるのではないかと考える。例えば、病気や介護などで移動や外出が困難な場合でも、自宅から情報が入手できるし、離れて暮らしていても心の通う家族や友人たちと楽しいコミュニケーションができるし、新しい趣味や生きがいを発見できる。そして何よりも加齢による障害をICTが補ってくれる。長寿社会となり、老後の暮らしは長期傾向にある。
3 世代間交流 一般に、世代間の関係には、大きく分けて二つの面がある。1つは家族の中での親と子、祖父母と孫といった親族の世代の間での関係であり、もう1つは、社会における若い世代あるいは中高年の世代と高齢者の世代との関係である。 今日、世代間交流といわれるものは後者に関わるものであり、世代を超えた交流を行い、世代相互の理解をはかろうとするものである。ここでは後者について書く。 高齢者が家族以外の若い世代と交流を行う機会があるかどうかについて、(「高齢者の地域社会への参加に関する調査」)によると、別の調査によって考えてみる。若い世代との交流の機会が、「よくある」、「たまにある」と答えた人の割合は図9のようになっている。
今日、世代間交流は、高齢者の生きがいにもつながるし、また若い世代の社会にも役立つということで、行政や住民の発案により色々試みがなされてきている。多くの高齢者が世代間交流の機会をもってきていることがわかる。 交流の相手は、高齢者一般では壮年の世代が77.9%ともっとも多く、ついで成年の世代が52.7%、中学・高校生の世代が12.9&、小学生の世代が10.8%となっており、壮年・青年の世代との交流が主流となってきている。 なお、若い世代との交流の機会がある人の割合が高い年齢層で低くなっているのは、若い世代との交流に「あまり参加したくない」人が後期高齢者になると増加するためであると思う。その理由としては「若い世代とは話が合わない」、「若い世代とは活動のペースが会わない」、「若い世代とは趣味の対象が違う」といった、いわば世代間のギャップによるものが主である。が、そのようなギャップを感じる人は今では少数派である。 交流の内容については、「若い世代と一緒に楽しめる活動」が高齢者の中では70%以上を占めている。 世代間交流によって、高齢者は楽しみを得ることが出来るし、また文化や技能を若い世代に伝えることを通じて、高齢者は人の役にたっていると自覚でき、そのことで生きがいを実感することにもなる。[8]
・高齢者のライフイベントが起きる。 ライフイベント(life event)とは、人生において起こってくる様々な出来事をさすが、もともとは心理学のストレスの研究において、ストレスをもたらす人生上の出来事として概念化されたものである。 以下に、代表的な高齢期のライフイベントとして、「退職・引退」つまり定年退職を中心とした職業からの引退を意味し、老後の入り口とも言えるライフイベントである。定年退職を経験するのは圧倒的に男性に多いが、家事や自営業あるいは家事なども含めると、大多数の女性も引退を経験することになる。さらに日本の場合、仕事を重視する価値観が強いので、退職・引退は生きがいの喪失にもつながる可能性が高いと言われている。 その他のライフイベントとしては、心臓発作や脳卒中などの病気に急に襲われること、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えて生活することもある。また高齢者の中での割合から見ると少数ではあるが、心身の機能が低下して老人ホームなどの施設に入所することなども大きなライフイベントとして考えられている。
・まとめ PCやSNSを使って活用、もしくは交流したい、という高齢者の方達は世の中に多いはずである。しかし、PCを使えない方達が大勢居る中で、こうした高齢者達を支える団体がパソコンボランティア活動など、情報化の支援などのサービスを行うことによって、高齢者がよりPCを使えるようになったり、地域社会への取り組みが活発になった。このような支援などのサービスはもっと必要であると自分は考える。
今回、私が普段から活用しているSNSのうちの一つ、mixiで調査する。 そこでmixiでは、各参加者は年齢情報をアカウント情報に付加でき、又年齢により検索が可能である。 60〜66歳で登録している人をそれぞれ各1歳ごとに分けて10名をランダムに選び、自画像の有無、本名の有無、職業、コミュニティ数、マイミク構成などの核登録情報を調べ上げている。 さて、ここで調査の前にmixiの運営側が公開している年齢層別の利用数は下記のとおりである。
マイミク数の傾向がどのようになっているかを下に表してみた。 年齢を追うごとにマイミク数が減って行くのがわかる。
年齢(歳) | マイミクの平均(人) |
---|---|
60 | 62.6 |
61 | 50.6 |
62 | 43.4 |
63 | 37.7 |
64 | 35.6 |
65 | 24.3 |
66 | 27.1 |
年齢(歳) | 全体(人) | 男(人) | 女(人) |
---|---|---|---|
60 | 112 | 83 | 27 |
61 | 138 | 102 | 35 |
62 | 146 | 115 | 25 |
63 | 129 | 106 | 23 |
64 | 74 | 59 | 15 |
65 | 149 | 39 | 10 |
66 | 32 | 26 | 6 |
一方、mixiの年齢別構成比を見ると63歳までと64歳以降で明らかに、分布に差があり、64歳以降は少ないことがわかる。理由として、@2007年3月15日から携帯用メールアドレスが必要となり、PCを持っていても携帯が無いと登録ができないからである。Amixiの歴史が浅く、定年前に始められたかどうか?B現在定職を持っているか等で、日常的に多くの人とコミュニケーションをしているかなどが考えられる。 実際、高齢者のマイミクの各世代を調べたところ、20代〜30代のマイミクが他の世代よりも多いことがわかる。 中には、(高齢者で)大学の草野球の監督をやっている人もいて、教え子のマイミクが多数いる人もいる。66歳以上の高齢者のマイミクの構成は、逆に20代、30代の比率は少なく、同じ世代のマイミクがいる。上にも書いたように、「若い世代とは活動のペースが会わない」、「若い世代とは趣味の対象が違う」といったギャップがあるせいか若い世代はあまり存在していない。(図12)
SNSにはまる高齢者の方達は毎日ログインしていると思うが、ログイン時間が三日以上の人達も中には半数以上いる、では、ログイン時間が三日以上の人達は一体どういう理由でSNSをやっていないのか? 1 単純に飽きた 世代問わず、飽きっぽい人達はログインするだけでも面倒くさいかと思われる。 2 ネットでの人付き合い(コミュニケーション)に疲れた 例えば20〜40代の人達とマイミクになっている高齢者の方の例として、若者と意見が合わなかったりだとか、考えていることが違ったり、ズレる事もあるかと思う。そういう煩わしさが重なってログインしなかったり、或いはSNSを辞めてしまうだとかそういう事例もある。 このような出来事があって、mixiにログインしない、またはログインできない高齢者が多いのではないかと思う(図13参照)
さらに各世代1000人ごとにログイン時間が三日以上の割合を検証した結果を図14に表す
という結果になった 一般的に利用者の平均年齢が20代の後半から30代の前半と言われている。そういう意味では、そろそろ定年を迎えると言う団塊世代の方々からすると、敷居が高い印象もあるかもしれない。 当然mixiで多数作られているコミュニティは、ほとんどが20代、30代によって運営されているコミュニティであるから、話題の傾向が違うのは明らかである。 ちなみに、上記の年齢送別の利用数はPCでの利用者数であり、モバイル(携帯)での利用率はさらに低年齢化が進み、50代以上は0.4%というデータもある。
人と人との繋がりを大切にするSNSは仕組みとしてとても画期的である。お互いに情報を交換し合えたり、色々な世代と共通の趣味の人を見つけることが出来たり、様々な用途として利用できる。そのSNSを活用している世代は今現在、20代、30代が多いが、逆に50代、60代の利用者数は少ない。それは高齢者の方は目的や実感などがないと、なかなか使ってくれないからである。これからはもっと高齢者の利用者が増えてもいいと思う。 高齢者は人それぞれだが、定年退職などによって空き時間が増えると予測する。その空き時間を利用してSNSを利用し、各世代との世代間交流がもてれば、何か楽しみも得ることが出来たり、文化など若い世代に伝えることで生きがいに通じると思う。何もしないよりかはこうして人と交流できればボケ防止にもつながるのではないか?しかし、インターネットなど高齢者の方達にとっては操作が複雑すぎて慣れない、目的が何も無ければSNSさえもやらないかもしれない、という形になってしまいがちである。そういった高齢者達にとって対策を検討すべきである。 例えば、既存の地域コミュニティやサークル活動などのつながりをさらに深めたり、高齢者の「知恵」のコミュニティを作りそこでの知識を他の媒体に生かす、などSNSは交流目的に使えるはずである。操作説明だけではなく、どんな目的に使うのか、コミュニティを立てる場合どういったテーマにするのかといったことを話し合って決めていく過程が必要不可欠であり、関心が深まるはずである。また、第三章で書いたように高齢者の為の支援団体が各地にもっとあってもいいのではないかと考える。こういったサービスが高齢者達の情報学習能力を高めてくれるはずである。インターネットなどの情報系サービスは、我々20代から40代向けが多くなってしまいがちなので、「ユビキタス・ネットワーク」によって高齢者の方達の事も考えてサービスを提供していく必要がある。ただ、どんなツールも只あるだけ、では意味がないと思う。それを最大限に生かすことが出来れば今後のシニアコミュニケーションの幅が広がると考える。
謝辞 今回の研究にあたって、広範なご指導を賜りました東京電機大学工学部情報通信工学科准教授坂本直志先生に深く感謝いたします。