SNSのデータ構造とサービス特性

09EC505 古木 裕輔
指導教員 坂本 直志

目次

1 研究背景
2 SNSとは
3.1 Twitterのデータ構造
3.2 Facebook
3.3 mixi
4 比較
5 まとめ
6 参考文献

1 研究背景

近年、インターネットが普及し日本の義務教育課程においても教育科目として、ネットワークリテラシーやタイピングなどの教育が行われ、人々がネットワークを利用することが当たり前の社会になってきている。 現在では幼い子供やお年寄りまで、ほとんど人が携帯電話または携帯端末(ス マートフォン)を所持するようになり、それらの機器にはネットワークを利用し様々な機能を実現している。 その機能の中でもネットワークを介し、ネットワーク上で実際に人と人とがコミュニケーションをとっているかのような、構想的なコミュニケーションの場であるSNS(Social Networking Site)の発展が著しく見られるようになってきた。 このSNSは現在複数の会社からサービスが展開され、利用している者をユーザーと呼び、各SNS内でコミュニケーションをとっている。 そこで本研究ではその複数あるSNSの中からTwitter、Facebook、mixiのデータ構造、それぞれのSNSで利用する機能、社会的情勢などから比較検討を行いそれぞれのSNSのコミュニケーションをみていく。

2 SNSとは

SNS(Social Networking Site)とは、実世界の人間関係をネットワーク上で構築しコミュニケーションのサポートを行い、人とのつながりを促進するネットサービスのことである[1]。 現在、複数のSNSが存在し各SNSよって機能が様々である。ほとんどのSNSが、サービスを利用するのに個人を特定する各SNSで決められた、個人情報を入力させサービス利用の為の名前とパスワードを決定することでアカウントを作成する。 このアカウントを作成することでサービスを利用できるようになる。アカウント作成後は、サービスの利用者であるユーザーの、ネットワーク上でのプロフィールを設定または入力しどのようなユーザーなのかを表現することから始める。 プロフィールの表現方法も各SNSで様々だが、多くのSNSは、ネットワーク上での名前、年齢、性別、ユーザーを表現する写真を設定しプロフィールを作成する。その後、ネットワーク上で他のユーザーとの交流を行っていく。 ユーザー間での交流をサポートするものも、各SNSで様々ありほとんどがプロフィールなどから、他のユーザーとの共通する項目からユーザーを推薦し交流するように促す。または、その時期の流行から交流を促すものがある。 SNSでのユーザー間の交流方法は、文章をネットワーク上に投稿し投稿内容を閲覧するまたは、閲覧されることで始まる。閲覧または閲覧されたときに、投稿を評価したり投稿に関して文章で会話したりすることがSNSでの交流方法となる。 次に本研究で取り扱う3つのSNSであるTwitter、Facebook、mixiについてそれぞれの基本的なデータの仕組みから、それぞれのSNSでのコミュニケーション、それぞれのSNS内での利用可能な機能を説明していく。

3.1 Twitterのデータ構造

Twitterはツイートと呼ばれる140文字以内で文を投稿できるソーシャルネットワークサービスである。2006年7月にツイッター社(元オブビアウス社)が開始したサービスで、サービス名の「Twitter」は英訳で「小鳥のさえずり」の意味があり日本では「つぶやき」と表現されている[2]。このツイート(つぶやきと呼ばれる記事がTwitterの基本的なデータである。)次のような項目からなる。

  1. 投稿者
  2. 本文
  3. 投稿日時
  4. リツートしているユーザーリスト
  5. フォローしている記事リスト
  6. お気に入りしているユーザーリスト

投稿者はアカウント名のほかに名前と画像が組となり各ツイートに表示される(図1)。表示される画像は自分で設定でき257×257px以上の画像の場合、256×256pxに縮小し表示する。240×240px~256×256pxの画像を設定する場合、そのままの大きさで表示される。239×239px以下の画像を設定する場合、240×240pxに拡大し表示する。

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図 1: Twitterのスマートフォンでのプロフィール画面

また、アカウント名の先頭にはアットマーク(@)が付加される。そのほか好み、場所、ホームページが登録できる。さらにフォローという特定のユーザーの最近の記事を一覧にする機能がある。この一覧表示をタイムラインと呼ぶ(図2)。記事は140文字以下に制限されている。但し日本語などのマルチバイト文字、バイト数ではなく文字数でカウントされる。さらにURLは長くなりがちだが短い文字数のカウントは軽減される。さらに、画像、動画を表す特定のURLはタイムライン表示時に記事としてインライン表示される。但しタイムラインの一覧性を失わないように短縮表示され、クリックすることで全て表示されるようになっている。記事下部には、返信、リツイート、お気に入り登録、その他のボタンがある。

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図 2: Twitterのタイムライン画面

返信はこの記事に対する記事を書くためのものである。記事に@アカウントが挿入されるが、この指定により返信記事が指定のユーザーのタイムラインに表示される。このアカウントの指定は自由に編集できる。なお、この記事に返信したかは内部で記憶され、もとの記事を開いたときに上下に返信が表示される。リツイートを指定すると、自分をフォローしているユーザー(フォロワー)のタイムラインにリツイートした記事が表示される。お気に入りは直接フォロワーに影響を与えないが、見つけるという検索画面にフォローしているユーザーの最近のお気に入りのユーザーが出る(図3)。

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図 3: Twitterのツイート画面

また、図4の見つけるの検索画面では最近、ほかのユーザーが検索している(トレンド)ハッシュタグも表示されます。ハッシュタグは、記事にシャープマーク(#)キーワードを入力することで、同じキーワードの記事をまとめて表示するようにできます。#キーワードと検索したいキーワードを入力することで、同じキーワードの記事を一覧にして表示します。また、キーワードは保存することができいつでも更新することができます。

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図 4: Twitterの見つける画面

Twitterを利用する際に、PCとスマートフォンなどの携帯端末での利用方法があり、図2と図5のそれぞれの画面構成が違っている。PC上のタイムライン画面では、フォローしたユーザーのツイートがタイムラインで表示され、その側面に自分の簡易プロフィールとおすすめのユーザー、トレンドが表示されている。簡易プロフィールは自分のアカウント名、ツイート数、フォロー数、フォロワー数、プロフィールを見るが表示され、そこからツイートすることができる。おすすめのユーザーは、人気のアカウント3件ほど表示するものと、そのほかの人気アカウントを検索するボタンと、友達を検索するボタンが表示されている。トレンドは最近のハッシュタグで人気のキーワード10件ほど表示して、ボタンを押す事でその記事を見ることができる。一方スマートフォンなどの携帯端末では、タイムライン画面にフォローしたユーザーのツイートがタイムラインで表示されているだけである。また、つながり、見つける、プロフィール画面でもPC上での表示には、側面に同じ表示がされておりスマートフォンなどの携帯端末では、各画面での情報のみの表示を行っている。

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図 5: TwitterのPCでのタイムライン画面

3.2 Facebook

Facebookは2004年にハーバード大学の学生によって創業され、学生限定でソーシャルネットワークサービスを開始した。2006年に一般公開され、日本では2008年にサービスを開始し実名登録制で個人情報の登録することが必要になる[3][4]。2011年9月には世界ユーザー数が8億人を超え世界最大のSNSとなった。Facebookでは投稿と呼ばれる記事が基本的なデータで次のような項目からなる。

  1. 投稿者
  2. 本文
  3. 投稿日時
  4. 「いいね」しているユーザーリスト
  5. コメントしているユーザーリスト

投稿者は姓、名(Facebookは基本的に実名)とプロフィール写真を組として投稿に表示されます(図6)。

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図 6: Facebookのプロフィール画面

プロフィールにはそのほか、出身地や居住地や恋愛対象など様々な情報を入力する枠が用意されて選択または入力して登録します。さらにFacebook上で友達を検索し友達として登録することで、友達の最近の投稿を一覧できる機能があります。この一覧表示をニュースフィードと呼びます。ニュースフィードの表示方法には最新情報とハイライトがあります。最新情報での表示方法は、友達のすべての投稿をリアルタイムで表示します。これは友達の投稿を時系列に並べ新しい投稿を上に表示し、古い投稿を下に表示して表示していきます。ハイライトの表示方法は、すべての友達の投稿から重要そうなものを選別し表示します。この表示の選別を可能にしているのが、Facebook独自のアルゴリズムであるEdgeRank(エッジランク)です。このEdgeRankは、各ユーザーの投稿をオブジェクトとしこのオブジェクトに「いいね」、コメント、タグ付けといった他ユーザーとのアクションを行うたびにEdge(エッジ)をつくります。このEdge(エッジ)はAffinity score(親密度),Weight(重み),Time(時間)の3つの成分から成ります。Affinity score(親密度)はその投稿を閲覧しているユーザーと投稿の作成者との親密度で投稿の閲覧やプロフィールの閲覧やコメントのやり取りなどによって高くなります。Weight(重み)はEdge(エッジ)に与えられる重みを表し、動画>写真>リンク>コメント>「いいね」、となり重みをつけます。Time(時間)はEdge(エッジ)の新旧を判断し新しいものほど高くなります。各オブジェクトの各エッジでの成分を掛け合わせたスコアを算出したものがその投稿のEdgeRankとなります。EdgeRankが高いほどニュースフィードに高い頻度で表示されます。

投稿には文章で420文字以内で書くことができます。Facebookを利用している端末内の写真、動画データを載せ文章と一緒に投稿することもできます。投稿の下部には友達からされる「いいね」ボタンとコメントボタンがあります。「いいね」は投稿ごとに設置してあり「いいね」ボタンを押すことで、投稿に関し評価していることを表します。「いいね」することで投稿の「いいね」したリストに入り投稿者に表示します。コメントは投稿に評価している友達がコメントを書くことができ、コメントを書くことでコメントリストにコメントしたユーザー名とコメントが表示されます。また同じく投稿の下部にはシェアボタンがあります。シェアボタンは、投稿にコメントを付け加え自分の投稿として投稿することができる。ここで、投稿に載せる写真を投稿する際に使用できるタグ付け機能という機能があります。タグ付け機能とは、投稿に使用する写真に写っている友達がFacebookユーザーのとき写っている友達のアカウントを検索し写真に名前を書くことができます。また、Facebookユーザーでない友達の写真にも文字列を入力し表現することができます。そしてタグ付けが完了し写真を投稿すると、タグ付けされたFacebookユーザーにタグ付けされた通知が送られます。また文章を投稿するに半角で@の後に友達、FacebookページまたはFacebookと連動しているアプリケーションの一部を入力すると、サジェスト画面が表示され選択することで文章にもタグ付けすることできます。さらに投稿した写真はFacebook上に保存され、保存した画像をアルバムにすることができ、アルバムごとに名前をつけて整理することができます。

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図 7: Facebookのスマートフォンでのニュースフィード画面

さらにFacebookには友達を検索する機能があります(図8)。主に検索欄から友達の名前またはメールアドレスを入力し検索する方法とニュースフィード欄に表示される友達かも?欄にプロフィール情報と友達情報から友達の可能性のあるユーザーを欄に表示し選択する方法です。検索し友達申請し相手が申請を承認することで友達として登録されます。反対に友達の申請が来ることもあります。承認は拒否することもできます。友達になることで友達リストに登録され、友達リストで友達をグループに分けることも可能です。またFacebookでは友達とは別にFacebookページというものがあります。これも友達同様、検索することで表示されますが友達申請するまたは申請されることはありません。企業、製品、芸能人、アーティストなどが公に向けて情報を発信することを目的として作成したページです。Facebookページには「いいね」をすることで、「いいね」したページの情報が自分のニュースフィードに表示されるようになり、さらに自分のプロフィールに「いいね」しているFacebookページが登録されます。

Facebookは実名主義なため、公の場へ個人情報をさらす事になり知られたくない情報も知られてしまう恐れがあります。しかしそのためにプライバシー設定があります。このプライバシー設定は、自分の投稿を公開する範囲をすべてのユーザー・友達の友達・友達の3つの公開範囲に変更でき、設定の組み合わせにより友達のみの公開範囲でも友達を選択してさらに公開する友達の範囲を設定することができます。自分のプロフィール情報も同様にプロフィールの各項目ごとに公開範囲を設定することが可能です。また投稿ごとに公開範囲を設定することも可能で、投稿を友達がシェアすることへの制限の設定もできます。

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図 8: Facebook友達検索画面

 Facebookの利用にはPCとスマートフォンなどの携帯端末があり、図7と図9では画面構成が違っている。スマートフォンなどの携帯端末のニュースフィード画面では、友達の投稿がニュースフィードに表示され、プロフィール画面では自分の登録したプロフィールが見れる。PC上の画面では、友達の投稿がニュースフィードに表示されるのは同様だが、その側面にお気に入り項目とFacebookページ、アプリ、友達、知り合いかもリスト、友達のログイン状況が表示されている。

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図 9: FacebookのPCでのニュースフィード画面

お気に入り項目は、ニュースフィード閲覧のボタンとメッセージのボタン、イベントのボタン、写真のボタンがある。メッセージは、Facebookの友達と一対一でメッセージのやり取りをおこなうものである(図10)。イベントは、Facebook上でイベントを開催することを友達に知らせ、イベント内容の表示、イベントの参加または不参加を表示できるものである(図11)。写真は、Facebookに載せたすべて写真の写真を見ることができる。

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図 10: Facebookメッセージ画面
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図 11: Facebookイベント画面

Facebookページは、ページフィードのボタン、ページ発見ボタン、Facebookページ作成ボタンがある。ページフィードは自分が登録しているFacebookページの最新情報を表示する(図12)。ページ発見は、登録していないFacebookページを検索するものである。Facebookページ作成は、自分でFacebookページを作成する際にしようする。

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図 12: Facebookページ

アプリには、ゲーム、友達を検索、連動しているアプリ、ゲームフィード、Poke、ノート、「この日に」が表示されている。ゲームは、Facebook内に用意されているゲームを楽しむことができる。連動しているアプリは、Facebookと連動しているほかのSNSを表示している。ゲームフィードは、ゲームの機能としてFacebookにゲームの結果を投稿として表示する機能があるゲームの投稿のみを表示するものである。Pokeは友達に「いいね」またはコメントやメッセージ以外でコミュニケーションをとるものであいさつとして使用される(図13)。ノートは投稿とは違い、長い文章(6万文字以内)を書くときに使用する。このノートにも投稿と同様に、「いいね」ボタンとコメントリスト、シェアボタンが下部にある(図14)。「この日に」は、友達または自分がこの日に「いいね」またはコメントした履歴が表示される(図15)。

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図 13: Poke画面
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図 14: ノート画面
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図 15: この日に画面

友達は友達になっているユーザーをグループに分けることができ、その分けたグループごとに表示する。 友達のログイン状況は現在Facebookを利用している友達を緑で表示し、その他を何時間前に利用したか表示するものである(図16)。

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図 16: ログイン状況画面

3.3 mixi

mixiは2004年にサービスを開始、日本で最初にSNSの展開をしている[5]。mixiはサービスを登録しているユーザーから招待を受けないとサービスを利用できないように招待制として、ユーザーのプライバシーの配慮した登録制度を採用していた。サービス開始当初では国内で非常に高い利用率を誇っていたが、サービスのシステム変更や携帯端末への対応遅れなどが重なり、ユーザーのサービス離れと新規ユーザー獲得できずTwitter,Facebookなど他のSNSに押され衰退している現状である。mixiは2010年から自由にmixiのアカウントを登録しサービスが利用できるようになっているが、変更前ではmixiの登録者からの招待として招待メールを招待相手のメールアドレス宛てに、アカウント作成のための登録リンクが記載してあるメールを送ることでアカウント作成を行っていた。mixiでの記事であるつぶやきがmixiの主なデータ構造である。これは次のような項目からなる。

  1. 投稿者
  2. 本文
  3. 投稿日時
  4. 「いいね」しているユーザーリスト
  5. コメントしているユーザーリスト

投稿者はmixi内で表示される名前であるニックネームと、投稿者の画像が登録でき、つぶやきをする際に画像を先頭にニックネームが表示される。そのほかにプロフィールには、現住所、生年月日、性別、趣味、自己紹介文を登録できる。この登録したプロフィール項目の中で、姓名、現住所、性別、生年月日の項目は公開する範囲を項目ごとに設定することができます。公開範囲は全体に公開と友達の友達まで公開と友達まで公開の3つがあり、公開の範囲を設定することでプライバシーを守ることができるようになっている。プロフィールには、mixi独自である友達からの紹介文を書いてもらい、紹介文を表示することができる。これは友達になったmixiユーザーが任意で紹介文を書くもので、書かれた紹介文は非表示にはできないが削除することが可能になっている。そのほかにプロフィール画面では、伝言板という、プロフィール閲覧者または友達に対して表示する文章を表示するものや、最近つぶやいたこと、最近mixi内で行動したこと(「いいね」、プロフィール変更など)、アップロードした画像が表示される(図17)。

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図 17: mixiのプロフィール画面

mixiにログインし最初に現れるホーム画面は、登録している友人の情報が一覧で表示される。この一覧表示をタイムラインと呼ぶ。mixiの友人登録の上限は1000件まで登録できる。友人の情報とはつぶやき、日記、アップロードした写真、mixi内の行動が表示される。つぶやきは最大150文字で文章を表すもので、つぶやいたものには「いいね」とコメントができるようになっている。「いいね」はつぶやきなどに対して興味を示したことを表すもので、「いいね」することで「いいね」したユーザーのニックネームが「いいね」リストに表示されるようになる。またコメントはつぶやきなどに対して文章を書いて興味を示すもので、コメントしたユーザーのニックネームとコメントした文章がコメントリストに表示される。日記は10000文字書くことができつぶやきよりも多く文章を書くことができる機能です。また、日記にはそれぞれ書く日記ごとにタイトルを付けることができることと、日記に画像をアップロードして書くことがつぶやきとの違いである。また日記にも「いいね」とコメント機能があり他のユーザーから評価を受けることができる。日記に付属で写真をアップロードできるが、写真アップロードだけでも投稿が可能であり、これにも「いいね」とコメント機能が備わっている(図18)。

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図 18: mixiのタイムライン画面

またアップロードした写真は、複数の写真とまとめてアルバムとしてmixi内に保存することができアルバムにはそれぞれに名前を付けて保存する。mixiにはコミュニティーと呼ばれるグループが存在する。コミュニティーとは趣味、思考、好きなものや人といった、様々なものについて自分と同じような考えのユーザーとグループを組み、情報の交換や交流の場として作られている。コミュニティーは340万超える数が存在し、加入者の多いコミュニティーのメンバー数は約45万人のメンバーがいるコミュニティーも存在する。またコミュニティーは自分でも作ることが可能で、存在するコミュニティーの中でないようなものは自分で作り、他のユーザーとの交流を楽しめる。コミュニティーでは、参加しているコミュニティーでトピックがいくつかありその中で、他のユーザーとコメントしあい交流したり、イベントを企画してイベント開催を告知し、実世界で他のユーザーと交流したり、簡単なアンケートに回答しアンケートの他のユーザーの回答結果を見たりすることができます。このようなコミュニティーでの行動もタイムラインに表示されます(図19)。

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図 19: mixiのコミュニティー画面

またmixiでは自分のプロフィール画面をほかのユーザーに閲覧してもらうと閲覧したユーザーのニックネームが訪問者リストに残り、閲覧したユーザーが友人なのか、友人の友人なのか、同じコミュニティーに参加しているユーザーなのか、それ以外のユーザーなのかがわかるようになっています(図20)。

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図 20: mixiの訪問者リスト画面

mixiの利用にはPCとスマートフォンなどの携帯端末があり、図18と図21では画面構成が違っている。スマートフォンなどの携帯端末のタイムライン画面では、友達の最新記事または友達のmixi内での行った行動などの情報が表示される。PC上の画面では、友達の情報は携帯端末と同様だが、その側面にマイアプリ、mixiニュースが表示されている。

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図 21: mixiのPCでのホーム画面

マイアプリは、基本的にPCでのみ利用できるゲームなどのアプリを楽しむためのもので、自分が頻繁に利用するアプリが表示される。また、アプリの利用がない場合でも、最新のアプリまたはおすすめのアプリの情報が表示される。

mixiニュースは、世間でのニュースをカテゴリーごとに表示するものである。タイムラインの側面に表示されるいくつかの見出しのニュースは、今日のニュースでmixiがほかの情報サイトから取り上げて紹介しているニュースを表示している。このニュースには、ピックアップ、国内、政治、経済、地域、海外、スポーツ、エンターテインメント、IT・テクノロジー、ゲーム・アニメ、コラムと豊富なカテゴリーごとのニュースを見ることができる(図22)。

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図 22: mixiのニュース画面

4 比較

第3章では、複数あるSNSから3つのSNSについて、主となる利用の特徴を説明した。ここではこの3つのサービスについて記事のデータ構造を比較し検討する。

それぞれのSNSについて、記事のデータ構造を考え図示した。Twitterの記事であるツイートは、文章、写真、リンク、ハッシュタグ、@ユーザー名が表現できる。ハッシュタグと@ユーザー名は、twitter特有の表現方法でありハッシュタグで特定の事柄について、ツイートを行っているものを表示し、@ユーザー名はその文字列でユーザー宛てにコメントとして文章を表現することと、選択することでユーザーのプロフィール画面に移行することができる。またツイートをリツートもしくは引用リツートすることで、ユーザー間でツイートを共有する機能を持っている(図23)。

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図 23: Twitterの投稿構造

Facebookの記事である投稿は、文章、写真、動画、リンクが表現できる。投稿には「いいね」リストとコメントリストがあり、投稿ごとに他のユーザーが評価またはコメントによってコミュニケーションを行うようになっている。また投稿をシェアすることで、投稿をユーザー間で共有する機能を持っている(図24)。

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図 24: Facebookの投稿構造

mixiの記事であるつぶやきは、文章、日記、写真、リンクが表現できる。つぶやきには「いいね」リストとコメントリストがありFacebookと同じ機能を持っている。しかし、mixiにはTwitterとFacebookと違い、投稿をユーザー間で共有する機能は持っておらず、TwitterのようなSNS特有の表現または機能も存在しなかった(図25)。

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図 25: mixiの投稿構造

これよりそれぞれのSNSの投稿で表現できる内容はほとんど変わらないが、TwitterとFacebookに比べmixiは表現した投稿の共有性が低いことが考えられる。 次に、Facebookとmixiには投稿ごとに「いいね」リストとコメントリストがあり、投稿の評価または投稿に関してのコメントによってコミュニケーションを行える。しかしTwitterの投稿ではこの機能が備わっていないため、投稿ごとに評価を受けたり、投稿に関しコミュニケーションを行うことがない。Twitterには引用リツートを利用することによって、投稿に関したコメントでコミュニケーションを行えることは可能であるが、Facebookとmixiに比べ手間がかかる上、Twitterの表示方法は、時系列で投稿が流れるため、投稿に関してのコミュニケーションはやりにくいと考えらえる。

次にTwitterとFacebookとmixiの連動について比較してみます。まず連動とは、各SNSで同じ記事を載せるような場合に、それぞれのSNSに載せるのではなく連動を設定することによって、1回の投稿で連動した他のSNSにも同じ投稿が行える機能のことです。図示したそれぞれのSNSのデータ構造には連動の流れも示してします。ここで連動の流れのみの図23を示します。3つのSNSを連動すると記事の流れは、TwitterからFacebookとmixiに記事が流れます。Twitterには、Facebookとmixiから記事を載せても記事はTwitterに流れません。Facebookから記事を載せるとmixiに記事が流れますが、TwitterからFacebookに流れた記事は、mixiに流れないことがわかりました。これは、Facebookに直接記事をのせた内容のみが連動されるようになっているため、間接的に記事を載せたTwitterからの記事は、mixiに記事が流れないと考えられます。mixiは記事を載せてもFacebookとTwitterに記事が流れません。記事の流れからTwitterから記事を流すことが、もっとも記事が拡散して流れ、mixiからの記事は一切流れないことがわかりました。

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図 26: 3つのSNSの連動

現在、日本で利用されるこの3つのSNSの利用についてはTwitter、Facebookの利用は多くの利用者がいるなか、3つのSNSの中で最も最初にサービスを開始しているmixiに関してはここ数年で利用者が激減していることについて考察する。

mixiは2004年にサービス開始、Twitterは2006年のサービスを開始、Facebookは2008年にサービスを開始している。サービスの開始時期が最も速いmixiは、サービス開始から利用者を増やし当初、日本で最も利用者の多いSNSであった。しかしここ数年ではmixiのサービス開始後にサービス開始したTwitterやFacebookなどに利用者を上回られている。その影響を与えたと考えられることがいくつかある。まず日本で普及していた、ガラパゴス携帯電話からスマートフォンに移り変わっていく中で、TwitterとFacebookはスマートフォンに対応したサービスのアプリケーションを公開し、ガラパゴス携帯電話からスマートフォンへの移行に迅速に対応したが、mixiは2010年に、スマートフォン対応のアプリケーションを遅れて公開したことと、公開したアプリケーションは、PCとスマートフォンでの互換性が低くmixi内でのコミュニケーションがとりづらくなってしまった。その後、アプリケーションはすぐに改修されるがこれによってその他のSNS利用につながったと考えられる。

その翌年の2011年には、mixiがTwitterと連動できるようになったが、Twitterとの連動はTwitterからの記事はmixiに載せられ、mixiの記事はTwitterに載せられないことから、mixiで記事を載せるよりもTwitterで記事を載せた方が、連動した利便性があると考えられる。さらにTwitterでは記事を短時間に連続を行うことがあり、その記事がmixiにも記事にされることでTwitterでは、連続で記事にしても実名主義でないことと、Twitterの表示方法から時系列に複数の記事が載せられるため連続で記事を載せることに関して違和感を感じないが、mixiは、ほとんどのユーザーが実名で友達になっているユーザーが実世界の友人であることが多く、連続で記事を載せることでホーム画面に同じユーザーの記事が連続し、嫌悪感を感じることが考えられTwitterを主に利用するようになったと考えられる。

ただmixiにはTwitterとFacebookの記事の機能と違い長文を記事にできる日記機能があり、長文で文章表現して、日記は日記の画面でのみ表示し時系列で記事が表示されるつぶやき画面と分割してユーザー間のコミュニケーションを行っていたが、この日記とつぶやきを同じ表示画面にする仕様に変更したことで、ユーザーが表示画面を見たときにつぶやきと日記の区別がつかず、つぶやきのような短い文章での簡易的なコミュニケーションと、日記の長文による深いコミュニケーションが表示を合わせたことで損なわれたと考えられる[6][7]。

mixiのサービス開始当初、主なサービス利用者である若年層ユーザーは、現在では30~40代になりSNSを頻繁に利用することがなく、mixiの利用もしなくなっていったのではないかとも考えられる。以上のような複数の影響などからmixiがここ数年で利用者の減少が見られたのだと考えています。

次にそれぞれのSNSの社会的な使われ方について比較していく。まずTwitterは以下のような使われ方をされている。

  1. 有名人などは多くのフォロワーがいることで人気の指数として表現される。
  2. テレビまたはラジオ番組などでハッシュを指定し番組中に視聴者からの意見として取り上げる。

Twitterでは特に芸能関係の社会で利用されることが多くみられ、①でのフォロワー数がそのまま人気の指標として、有名人に影響を与えることがあり多くのファンを獲得することができる。また②でもあるように、Twitterのハッシュを使い、視聴者から意見をもらうことで、視聴者が番組に参加できるシステムになっているので、視聴者が番組のファンになり安定した視聴率または視聴率を上げる効果があると考えられる。次にFacebookでの社会的な使われ方を挙げる。

  1. レストラン、雑貨店などでの商品を各商品の企業Facebookページ限定で割引情報を発信する。
  2. 就職活動において企業がFacebook上で説明会等を募る。

Facebookでは特に企業が販売促進などに利用されることが多くみられ、(1)での企業が公式にFacebookページを作成し、Facebook限定もしくは最新商品の情報を発信することで、顧客の購買意欲を向上させるさらには、新規顧客獲得などの効果があると思われる。また(2)での就職活動においての利用では、大手企業は広告を打たなくとも、新入社員が多く応募してくるが、中小企業は就職サイトなどで広告を打たなければ新入社員を獲得することが難しく、それによるコストがかかるという問題を、Facebookに企業が公式にアカウントを作成し利用することでコストの削減また、多くの就職活動者に目にしてもらえる機会が増えるという効果があると思われる。次にmixiでの社会的な使われ方を挙げる。

  1. コミュニティー内で開かれる、オフ会によって同じ趣味思考の人と出会う。

mixiではコミュニティーの活動でオフ会を行うものがある。このオフ会というのは、mixi内で参加したコミュニティーのメンバーを募り、そのコミュニティー共通の趣味思考の同じ人と実際に会って交流するものである。まったくの他人と交流することになるわけだが、同じコミュニティーのメンバーということで、好きなものでのつながっているため人脈を広げることができると思われる。以上が3つのSNSついて比較した考察である。

5 まとめ

本研究ではTwitter,Facebook,mixiと3つのSNSについて記事のデータ構造、機能、社会的利用方法、サービス開始からの歴史を比較しそれぞれのSNSの特徴を見てきた。Twiterrでは140文字という短い文の記事を簡単に記事にし、ツイート、リツイートをフォロワー同士でコミュニケーションを取り合っていた。簡単にリアルタイムで情報共有ができるため、ハッシュタグを使いテレビ番組の視聴者の意見を取り入れるなどにも利用されている。また、フォロワー数を芸能人などの人気の指数としても表現されることから、芸能に関する利用が効果的にできるといえる。

Facebookでは記事に2940文字と写真や動画、リンクなどが表現しやすく投稿者が実名でコミュニケーションを取っていた。投稿者が実名で記事を表現することから企業などの公式アカウントで企業の商品の宣伝や、就職活動の説明会募集など企業として情報発信をしていくことに利用されていた。公式な情報発信として利用することが効果的にできるといえる。

mixiでは150文字の文と写真などが記事にでき、利用者のホームを閲覧したかを確認できる訪問者機能、同じ趣味思考を持ったコミュニティーでのコミュニケーションを取っていた。コミュニティーでのやり取りから、オフ会などを通じコミュニケーションを図ることで、人脈を拡大させることなどに効果的といえる。

それぞれのSNSには特徴があり利用するユーザーのニーズよって使い分けていくことができるといえるだろう。

6 参考文献

  1. 総務省 情報通信政策研究所
    “ブログ・SNSの経済効果に関する調査研究”
  2. twitter,inc
    https://twitter.com/
  3. 田口 和裕, 森嶋 良子, 毛利 勝久, 青木 修, 坂本 寛, 宮崎 綾子, アマルゴン
    “いますぐはじめる Facebookナビ”
  4. フェイスブックジャパン株式会社
    https://ja-jp.facebook.com/FacebookJapan‎
  5. 株式会社ミクシィ
    mixi.co.jp/
  6. livedoor ニュース
    http://news.livedoor.com/topics/category/eco/
  7. 日経ビジネスオンライン
    http://business.nikkeibp.co.jp/tech/